スタートは一瞬の勝負。
また特にスプリントにおいてはスタート後わずか間で勝負がほぼ決まる、といった具合、非常に重要かつナーバスにならざるを得ない。
しかしながら、日頃の練習においてスタート練習は「泳ぐ」という本来の練習に比しては、ないがしろにされがち。
試合前にお茶をにごす程度の練習では、それこそ「イチかバチか」のものしかならないのだが・・・
(構え)
スタート台にかける足は、全ての指でスターティングブロックをとらえるべし。幅は肩幅。
ほれ、そこでジャンプしてみなさい。いま、そこで。軽くジャンプすると、自然に肩幅くらいの足幅でジャンプしているはず。その幅が大切。
自然にパワーを出せる、自然な足幅で、スターティングブロックを蹴り出すべし。
腰の位置、これが大事。一瞬の反応で応えるべく、「限界まで」腰を引き上げる。いろんな構え方を実践してみたが、これが一番だった。他の飛び方がいい、って人は「それ」を続けるべし。何事も自然体が大切。無理にフォームを変えない。それが自分にとって本当に正しければ。
腰の位置を引き上げる為には、手の位置はどうやら「スターティングブロックの横」をつかむのではなく、「スターティングブロックの前で合わせる」方がうまくいく。サイドをつかもうとすると、どうしても腰が引けてしまって、スタート台の上で「どかっ」と体が落ち着いてしまう。したがってパワー(エネルギー)は溜まるのだが、反応が鈍くなる。どっちかというと「パワー」より「反応」で勝負してきたから、結論がこうなっただけ。
いつでも飛び出せる、不安定ギリギリの安定的位置でカチッと体勢を保つよう、足指でブロックをつかみ、かかとが上がるくらい膝裏筋を引き伸ばし、足親指の付け根に重心を集め、来るべき号砲を待つ。視線は水面。静かに時を待て。
(飛び出し)
頭を振り上げる。振り子みたい。頭って重いから、頭振り出せば体ついてくる。だから、最初に反応するのは、頭。そこから肩・腕が前に伸びていく。「肩」も前に振り出す感覚。上半身全体が引き上げられる。でもまだ、足指はスターティングブロックから離れていないはず。まだ離れちゃだめ。体がもう飛び出し、その後のダメ押しみたいに蹴り放つ。「おりゃっっ!」て。ここまで一瞬のできごと。
(入水)
腕曲げちゃだめ。顔前向いてちゃだめ。背中丸めちゃだめ。結構だめな事が多い。ほとんどだめだめ。だって、みんな抵抗を生み出すから。
スターティングブロックを蹴り、前方に振り出され伸ばされた腕を30度ほど引き下ろし、その両肩のなかに頭を入れ、入水体勢に入る。
まっすぐ。入水は一点入水。
入水後はすぐに肩を延ばし、キックをすばやく、力強いひとかき目と同時に水面に飛び出る。ひとかき目での呼吸はNG。せっかくの初速を下げる。クルマで言えば、ターボが効かないのと同じ。一気にいこうぜ。
(スタート(飛び込み)恐い人へ)
| 1. | まず、スタート台を蹴る事からスタート。足からの入水でいいので、とにかく遠くへ飛べるよう、蹴る練習。カベ、しっかり蹴ってるか? |
| 2. | 腕を伸ばし(ストリームライン)、背中を丸め、スタート台の上で入水体制を作ってから、そのまま飛び込み。飛ばなくて良い。ただ落ちるだけで良い。落ちる事の恐怖感をなくそう。死ぬわけじゃない。 |
| 3. | 同じ体勢からの飛び込みで、少しずつ軽く蹴り出してみる。ポーンって感じ。結構軽く飛べるはず。最初は「ばっちゃん」って落ちちゃうけど。そのうち「シュパーンッ」て入水できるようになるさ。 |
・・・・・・結局、「構え」でほとんど決まるんじゃないだろうか、スタートって。
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